ソーシャルメディアにおけるユーザーのこの1年の変化、ブログなどでの発信者が唯一増えた日本(Forrester社調査)

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Facebookのユーザーは5億人、Twitterは月に20億ものツイートが流れている。
利用者の拡大を続けるソーシャルメディアだが、Forrester社が先日行った調査によると利用者が増える一方でコンテンツを生み出す人(ブログを書いたり、動画をアップロードしたりする人)が増加したのは日本だけであることがわかった。
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Forrester社の Social Technographics Profileでは、消費者の社会的行動とトレンドを毎年分析している。この調査ではソーシャルネットワークの利用者をタイプ別に分類している。これは昨年話題になった書籍「グランズウェル」で紹介されている分類と同様のものである。

7つの分類についての説明

この調査ではユーザーを下記の7種に分類している。
・Creators:創造者
(作る人。ブログを書いたりビデオをアップロードする人)
・Conversationalists:会話者
(話を盛り上げる人)
・Critics:批評者
(コンテンツにリアクションを取る人。ブログにコメントしたり、wikiの記事を編集する人)
・Collectors:収集者
(RSSを使ったり、ウェブページや写真にタグ付けしたりする人)
・Joiners:参加者
(SNSに訪問する人)
・Spectators:観察者
(ブログ、ビデオなどを見ているだけの人。受け身な人)
・Inactives:不参加者
(登録だけして使っていない人)

参加者の増加が顕著、特に日本は不参加者の割合のみが減少

この調査を下記表にまとめているが、各地域に共通しているのは、この1年で創造者(Creators)とタイプ分けされている人の割合はほとんど変化がみられず、日本以外の国ではすべて割合が少なくなっていることがわかる。
しかし、参加者(Joiners)に関しては、アメリカを含め多くの国の調査で、2009年から2010年にかけて51%から59%など、顕著な増加が見られた。
下記は2009年から2010年の各地域の変化を表にしたものだ。
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日本の調査結果に関しては、不参加者以外の項目がすべて増加しており米国とはだいぶ異なった変化を見せていることがわかる。

YouTubeに動画をアップするのはアメリカでは1割

ソーシャルメディアの場合、利用者は受け身的な利用の仕方を好む傾向にあり、コンテンツを作っている人の大半は、前からずっとコンテンツを作っている人達なのではないかと分析されている。
Forressterの調査でわかったのは、「アメリカのネット利用者の3分の1は、YouTubeのようなサイトでユーザーが作ったビデオを定期的に見ているが、自分の作ったビデオをみんなが閲覧できるサイトにアップロードするのはわずか1割」ということだ。
これは日本も感覚的には同様のように思う。やはりYoutubeはほとんどの利用者は視聴するだけにとどまっているだろう。

日本はなぜ不参加者以外が増えているのか

日本において今年最も大きな変化はTwitterの利用者の急増だろう。日本は世界で2番目に多くツイートされる国である。
これには様々な理由が考えられるが、理由の1つとして140文字でメッセージを残すことが日本人にとってはとても最適だったということがあるだろう。
これによって、全体的に発言数が増え参加者が増加しているのではないかと思われる。
また、日本の特徴的な点としてUSTREAMの利用者が増加し、動画配信が一気に身近になった点があげられる。1部のユーザーによって配信は行われているのは変わらないだろうが、iPhoneなどから気軽に動画配信ができることで、始めて動画をソーシャルメディアに公開したユーザーも多く存在していると思われる。
個人的な感覚の話になってしまうが、ブログで記事を公開する人も2010年から変化が生まれているのではないかと思っている。自分自身の意見を発信する人が増えたのではないかと感じているのだ。
私の考えでは、今年が本当の意味でのブログ元年ではないかと思っているのだが、来年はブログというメディアの変化が見て取れる1年になるのではないかと想像している。
これから日本のソーシャルメディアの変化は楽しみである。
参考記事:Social Network Content Creation Has Plateaued [STUDY]
画像:154 Orange Grunge Stickers / webtreats

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Author
Web制作会社にデザイナー、ディレクターとして従事後、フリーを経て、現在は株式会社プレイドに所属。