Twitterはリアルタイムだけが売りじゃない

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Twitterを始めたばかりの人に必ず聞かれることがある。それは「Twitterって何が面白いの?」ってことだ。
インターネットでは、掲示板、チャットという仕組みは10年も前からあるが、Twitterが新しく感じ、多くのユーザーに受け入れられた理由はなんだろうか。
リアルタイム性ということに焦点があたりがちだが、今回はそれ以外の部分について触れていきたいと思う。

発言が個人に帰属する

Twitterは荒れにくいということを度々耳にする。確かに荒れている現場にはあまり遭遇したことがない。なぜ荒れにくいのか。
それはやはり、発言が個人に強く紐付いているからではないだろうか。割と実名でTwitterを利用している方も多いが、もちろん匿名の方もたくさんいる。しかし、発言するには必ずアカウントが開設されており、その人の発言はフォロワーにしか届かない仕組みになっている。(もちろんハッシュタグや検索から目に触れさせることもあるが)
少し大げさかもしれないが、フォロワーはその人の支持者とも表現できる。その人の発言によって、フォロワーが増えることもあれば減ることもある。
つまり支持されない発言ばかりを繰り返せば、興味を持ってフォローしているフォロワーはいなくなっていくことになる。
この仕組みによって、ある程度ユーザーが自分自身の発言にある意味の責任を持つ形になり、発言することは自分自身を表現していることだともいえる。

時代背景とも一致した

近代、パーソナルブランディングの必要性が訴えられている。会社に自分の人生を委ねる時代から、個としての市場価値を高め、個人のブランド=パーソナルブランディングを築いていくことが重要という考え方が多くなってきた。
そんな中、Twitterは日々の発言によって、自分自身のブランドを形成するのに大きな力を発揮する。
例えば自分が得意とする専門分野の話題を日々ツイートしていると、同じ関心を持った人がフォローしてくれたり、有益な情報を発信し続けることで「その分野に詳しい人」という認識をフォロワーに持ってもらうことができ、ビジネスチャンスに広がる可能性さえある。

アウトプットする機会を与えた

情報が増え続ける現代において、情報のインプット力がひたすら磨かれているが、アウトプット力が磨かれていない傾向にあるということが、しばしば話題にのぼる。
多くの情報をインプットすることは、ある意味受動的に行えるものだが、アウトプットするとなると、能動的な動きが強く必要になる。「考えをまとめてブログを書く」「入手した情報を自分なりにまとめる」などアウトプットする術は様々だが、Twitterは140文字で自分の考えを表現する必要がある。もしくは140文字だけで立派な発言になる。
そのことが、アウトプットへの敷居を下げ、多くのユーザーにアウトプットする機会を与えているのではないだろうか。また、Twitterはツイートしたことに対して、すぐにリアクションを得られることがある。これがまた次のアウトプットへのモチベーションを高めてくれる。

話しかけることへの敷居を下げる

Twitter上では知らない人同士が会話を行うことが常である。得体も知れない人から話かけられてもわりかし会話が成立するのは、その人のプロフィールや、タイムラインを少し覗けばどのような人なのががわかるようになっていることが大きいのではないだろうか。
ある意味自己紹介をぶら下げながら話しかけているようなものである。
私自身もTwitter上で知り合った方に実際に会う機会も作っていただけたし、お互いTwitter上である程度日々どんなことを考えているかを理解しているため、初対面でも割と抵抗なく会話できる。
140文字という制約があるからこそ、日々のちょっとした出来事や考えをアウトプットできるTwitterはコミュニケーションを円滑にする上でも大きな役割を担っているのではないだろうか。

可能性はまだ未知数

現在はまだまだ、少数派が利用しているサービスに過ぎない。
私自身は、Twitterが一過性のものではないと考えているが、今後さらなる人が利用するサービスに育っていくかどうかは、断言できるものではない。
いまはリテラシーの高い人の割合が高く、インターネットに対して慣れている人が多数派になるだろう。そのことから、今後様々な人が利用するようになることで、どのような状態になるかは正直私にも想像がつかない。
人が増えれば可能性が広がることは間違いないが、様々な問題が生じることも間違いないだろう。まだまだ真価はこれからである。

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Author
Web制作会社にデザイナー、ディレクターとして従事後、フリーを経て、現在は株式会社プレイドに所属。