いま企業に問われるソーシャルメディアへの柔軟な姿勢

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先日4月21日行われたクリアスウィフトのプレスカンファレンスに出席させていただいた。
クリアスウィフトは「Webと電子メールの統合セキュリティソリューション」を提供する会社でイギリスに本社を置く企業だ。
この日は、欧米企業での「職場における従業員のWeb2.0利用状況、セキュリティ意識の調査」と、国内企業での「従業員のWebと電子メール利用実態調査」の結果が発表された。
現在企業がウェブ戦略を考える上で、ソーシャルメディアを避けて考えることができなくなったといっても過言ではない。むしろ最初から除外するようなことがあれば、大きな機会損失にさえなる可能性も秘めている。
そんな中、企業は従業員のウェブサービスの利用を制限している例は多い。
調査結果をもとに、企業がこれから求められる対応について考えた。

業務に関係のないサイトへのアクセス禁止が57%

調査結果によると、業務に関係のないサイトへアクセス禁止(57%)、Webメール(Gmail,Yahooメールなど)の禁止(30%)、Web経由ファイル転送(宅ファイルなど)の禁止(20%)などがある。
職場における電子メール、インターネットの運用ポリシー(社内ルール)について、当てはまるもの
(複数選択)


企業がこういった行為を禁止する理由として、「会社に利益をもたらさない行為の抑制」と「セキュリティリスクへの対策」と大きく2つの理由が考えられる。

アクセス自体の全面禁止が大半

パート氏が「Web2.0セキュリティへの現在の典型的なアプローチは、アクセスの監視と、アクセスそのものの禁止が大半をしめている」というように、柔軟な対応というよりは全面的な制限している事例も多い。
例えば、社員のパソコンから「Twitter」や「Youtube」等のサイト自体へのアクセス禁止といった処置をとる例も多く耳にする。
例えばTwitterを例にすれば、情報を得るための有益なツールと定義することもできるし、友達と楽しくおしゃべりするためのツールと定義することもできる。
企業にとっては従業員がどのように利用しているかをいちいち確認することも困難であることから、アクセス制限という形で対策を講じているということになる。

本来は意識の問題

ウェブサイトを従業員がどう利用するかは本来意識の問題であり、全面的な禁止は、社員のモチベーションを展開する可能性さえある。
欧米の調査「職場での従業員のWeb2.0ツールの重要」では以下のような結果になっている。

  • 管理職社員の47%、一般社員の40%がWeb2.0ツールの利用による意欲向上を示す
  • 管理職社員の41%、一般社員の33%が、お客様とのコミュニケーションの改善になると考えている
  • 管理職社員の39%、一般社員の32%が、社外のお客様とのコミュニケーションや、社内の情報共有、リレーションシップの向上につながると認識している

上記の欧米での調査では、管理職社員の意識が総じて高くなっているが、日本では管理職社員の意識が低い事例も多く見受けられる。こうした点も日本企業がソーシャルメディア活用に積極的にならない原因になっている。
しかし、ソーシャルメディアは有益なツールになりうることを上記の調査結果からもわかる。つまり、企業は全面的な禁止ではなく、「どのように利用するべきか」を社員に教育する必要があるということではないだろうか。

いま起きている問題

日本では、ソーシャルメディアを業務関連して利用するケースはまだ稀であるといえるだろう。
背景には日本で普及しているmixiは友人との交流がメインで友人以外にはクローズにしているケースが圧倒的に多い点があげられる。
特に、年齢層が高い管理職社員がソーシャルメディアを活用していないということがネックになっている部分も大きい。
つまり、ソーシャルメディアは得体のしれないもので、マスメディアが報じるような「炎上」をはじめとした、ネガティブな点に焦点が注目されてしまい、リスクを避けようと簡単な選択を選んでしまうのだ。
そういったことから、社員や外部のコンサルティング会社がソーシャルメディアの利用価値を訴求する際にも、100%リスクがないとは言い切ることは不可能である点が、説得することを難しくしたり、最初から説得をあきらめてしまうようなケースへと導く。
クリアスウィフトは従業員によるソーシャルメディアの積極的な利用を推奨しながら、セキュリティへの対策をしっかりと行っていく為のソリューションを提供していくとのこと。
これからは企業が柔軟な姿勢をとりつつ、社員への教育や、セキュリティへのシステムによる解決をおこなっていくことが、今後企業が発展していくためには必要不可欠な条件になるかもしれない。
なお、クリアスウィフトによるリリースは下記よりご確認頂ける。
http://www.clearswift.com/jp/news/press-releases/web

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Author
Web制作会社にデザイナー、ディレクターとして従事後、フリーを経て、現在は株式会社プレイドに所属。