mixiが進むべき方向性は「コミュニティの強化」なのでは

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mixiページが8月31日にリリースされて2日間ほどで8万以上のmixiページが作成されたようだ。日本では圧倒的なシェアを誇るSNSだけあり、出だしは好調といったところだが、このmixiページの成否によってmixiの今後の方向性も大きく変わっていきそうな予感がしている。

mixi

mixiページが新設されたことによる1番の変化は、オープン化への第一歩を踏み出したところだろうか。いままではmixiへのいかなるアクセスもログインが必要だったが、mixiページの登場により「ログインなしで閲覧できるエリア」が新設され、検索サイトからの流入が期待できるようになった。「mixiページを作るべきか?」という質問はしばらく活発にかわされるだろう。そんな中、以下の記事が話題になっている。
このままじゃmixiページはダメかもしれない(night and sundial)
私もかねてからmixiに物足りないと感じているのは「伝播する仕組み」がいまいちなことだ。Twitterは広く浅い伝播性、Facebookは狭く深い伝播性を持っていることをこのブログの運営を通して実感しているところだが、mixiではそのような感触は得られていない。
Twitterでいうタイムライン、Facebookでいうウォールのシンプルな情報取得手段と、リストやRT、エッジランクという取得対象の差別化の仕組みがmixiにはない。この点はmixiページを盛り上げる上で課題となってくるだろう。
しかし、素直にmixiが対応したとしてもFacebook化が進むだけなので、mixiも独自のアプローチが求められるところであり、簡単に解決できる課題ではない。


もう1つmixiが抱える問題は、匿名性の部分だろう。なぜ問題になるかというと、mixiページのオープン化の最大の障壁になるし、炎上リスクが高くなる要因にもなる。
Twitter登場以前のソーシャルメディアに対し、企業が根強く持っていたイメージは「炎上するメディア」ということだったが、その印象が薄まってきたのはTwitterやFacebookによるものが大きい。Facebookは実名制をとっているだけあり、コメント欄が荒れにくいが、mixiでは良い意味でも悪い意味でも、辛辣な意見がバンバン投稿される覚悟が必要で、それを避ける形で利用されなくなっていくことも予想できる。mixiがそのあたりの対策をどのようにとっていくかが重要になっていくだろう。
おそらくmixiページにより、mixi自体のPVはあがり、短期的な成功は間違いないだろう。ただ、長期的に機能させるためには、上記の課題をクリアしなくてはならず、かなり難しいと考えられる。

mixiはどの方向に進むべきなのか

mixiは「足あと機能」の事実上廃止、mixiページの新設など、ここのところ大きく舵を切るような変更を続けている。日本最大のSNSであり続けるためには、必要不可欠な変更だと個人的には感じるし、妥当な流れだと思う。
ただ、このまま進めば進むほど、Facebookと衝突することになるのも間違いないだろう。そのような意味では、私はmixiがもう少し特殊な仕組みを構築していくほうが良いのではないかと感じている。先述の記事でもこのような指摘があった。

いまmixiの肝はなんといってもコミュだとおもう。多種多様なコミュがたくさんあって、そこにみんなが集まって、ああでもないこうでもないと意見をかわしていく。mixiはいまや大規模掲示板サービスなのだ。全員コテハン制の2ちゃんねるなのだ。

「mixiの最大のコンテンツはコミュニティだよなぁ。」と私も最近思うところで、2chほど荒れてない巨大掲示板がmixiにはある。これは他にない貴重なコンテンツになっているとは私も感じている。
例えば、日本代表の試合であればTwitterとかでみんなの声が聞けるが、ガンバ大阪とか少しニッチになってくると、Twitterではあまり声が聞こえてこない。そんな時、mixiだと結構活発に意見がかわされてたりして、結構貴重な場だったりしている。(私自身最近まで忘れていたことだったりするが)
そして、mixiのコミュニティは「同テーマのコミュニティは原則1つ」というルールもうまく機能しており、同じ関心をもつユーザーが一箇所に集まりやすくなっている点も優れている。コミュニティでは匿名性である点も後押しして、率直な意見が結構交わされているのも特徴となるだろう。
mixiはいまさら実名制に舵を取るのは不可能に近いことを考えれば、コミュニティを軸に徹底的に機能を強化していくことで、独特のSNSサービスとして進んでいくことが望ましいのではないだろうか。
「コミュニティがより盛り上がる仕組み。」これを徹底的に考えて、必要なものを強化し、重要でないものを排除していくことで、強い市場をもったサービスを創り上げられるのではないだろうか。
いまのmixiはいろいろと機能が増えすぎて、日に日にユーザーが使いづらいサービスになっていくように見える。最近こんな記事『「総合力」で迎え撃つ mixiの“全方位戦略”』が上がっていたが、いまmixiがすべきなのはシンプル化であり、強みを絞り込むニッチ化などではないだろうか。
まぁ、こんなことは上場企業であるmixiには検討することすらできない話なのかもしれないけども。

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Author
Web制作会社にデザイナー、ディレクターとして従事後、フリーを経て、現在は株式会社プレイドに所属。