ソニーが発表した3D対応ヘッドマウントディスプレイ「HMZ-T1」は家庭での3D普及の突破口になるかも

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実は先日「3Dは永遠に家庭に普及することはないのではないか」という記事を書こうとして書かずにいたのだが、8月31日にソニーが発表した商品を見ると「この商品が家庭での3D普及の突破口になるのでは」と思わされた。というか普及するとしたらこれしかないのではないだろうか。

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その商品とは、3D対応ヘッドマウントディスプレイ「HMZ-T1」だ。
私が「3Dは永遠に家庭に普及しない」と考えていた理由は、一般の家庭では3D視聴に必要な要素を揃えることが難しいからだ。
2Dではなく、わざわざ3Dで視聴する醍醐味は、なんといっても「臨場感」や「没入感」を感じられることが大きい。というかそれが味わえないと意味がなく、疲れるだけだ。この2つの要素を満たすためには、「視界いっぱいに広がる大画面」と「画面以外が気にならない環境」が必要だ。この2つを一般家庭で満たすのは難しい。
しかし、ソニーが発表した「HMZ-T1」なら、簡単にそれを実現できそうだ。

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この製品を装着することで、750インチ相当の画面を20メートルの距離から視聴したような感覚を実現できる。映画でいえば「一番いい席」でみるのに相当するようだ。
このヘッドセットであれば、「大画面」と「集中出来る環境」の2つを兼ね揃えることができる。

「HMZ-T1」は、「3D対応のブルーレイレコーダー」や「プレイステーション3」があれば、3Dコンテンツを楽しむことができる。
この手の製品が発売される際には、最初は大抵手が届かないような値段になるが、「HMZ-T1」の店頭予想価格は6万円前後と、手を伸ばせば届きそうな値段に収めたのもポイントが高い。
気になるのは映像の美しさだが、「HD有機ELパネル」(1280×720)が採用されており、色再現性、高速応答性能と合わせ、奥行きがあり、なめらかで高品位な映像を実現しているようだ。
サウンドも「5.1chバーチャルサラウンド技術」を搭載しており、没入感を味わうには申し分ない環境を作り出せそうだ。
下記の記事で装着感など詳しいレポートを確認できる。
超鮮明映像のソニー新HMD「HMZ-T1」を体験。有機ELで「クロストークゼロの3D」(AV Watch)
問題は、フィット感や3D特有の「ズレ」を感じ無い環境にできるかなどだが、この辺りはどんどん技術が進んでいくことだろう。9月10日からソニーストアなどで先行展示があるようなので、私も一度試しにいこうと思う。
3Dテレビは、3D非対応テレビより価格が安いような製品しか売れていないようだし、ニンテンドー3DSも販売不振から大幅に値下げに踏み切るなど、3D対応製品には厳しい状況が続いているが、ソニーの新製品が3D普及の突破口となるか、見物である。発売は11月11日の予定だ。
製品情報
プレスリリース

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Author
Web制作会社にデザイナー、ディレクターとして従事後、フリーを経て、現在は株式会社プレイドに所属。