企業とTwitterの関わり方ってティッシュ配りに近いかもしれない

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企業がTwitterを活用しようという動きが活発になっている。
しかし一方で「どう活用したらいいかわからない」「炎上のリスクはとれない」などの悩みの声が聞こえてくる。

企業がTwitterでどう振舞うべきかと考えたときにティッシュ配りにヒントがあるかもしれないと考えてみた。

なぜティッシュ配り?

街頭でティッシュをひたすら配っているあのティッシュ配りだ。
ティッシュ配りはなんの為かといえば、ポケットティッシュに記載された広告を見てもらうためだ。
広告を配ってもなかなか受け取ってもらえないから、ティッシュという大抵の人がもらっても困らない日用品を配って受け取ってもらうという単純な狙い。
いわばギブ&テイクのシンプルな形である。

Twitterで宣伝だけを目的とすると迷惑がられる

Twitterに置き換えてみると、ひたすら自社の宣伝だけをするのは道端で広告を配っている人。
この場合、ユーザーが興味がある場合は受け取るけども、興味がない場合は迷惑な行為とも受け取られる。
どこでどう配るかによって変化はあるものの、興味がないという割合は非常に高いといえるだろう。
一方、ティッシュ配りの場合は何かしらのインセンティブを先に与え、変わりに広告を見てもらうというスタンスである。
受け取る人もその認識で受け取ることが多い。これによって受け取ってもらえる確率は格段に高くなる。
(私は9.9割受け取らないのでそういう人も一定数いると思うが)
Twitterでも先にインセンティブを与えるということは非常に重要になる。そういった意味でティッシュ配りに近いと考えた。まずこちらからサービスを提供して、良かったら広告を見てくださいという姿勢。そういった姿勢が望ましいと考える。

どのようなアプローチで?

Twitterでティッシュを配るわけにはいかないから、Twitterrらしいアプローチを考えてみよう。
まずインセンティブを与えるという面ではアクティブサポートが最適だ。
サポートセンターで電話を待つのが受動的なパッシブサポート。困っている人を見つけて能動的にサポートするのがアクティブサポートである。

ユーザーの状態にあわせたサポート

ティッシュ配りが一番喜ばれるのは、春に花粉症の人がティッシュを切らしていた場合。これは本当に喜ばれる。
ユーザーが困っているのを見つけてストレートにサポートするという考え方。
これは自社製品や自社サービスで困っている人を見つけてサポートする方法である。例えばショッピングセンターで「トイレの場所がわからない」とツイートしていたら。ツイートでトイレの場所を案内する行為がこれに該当するだろう。
さらに積極的にターゲットを広げた例でいえば「東京の池袋にいいホテルありませんか?」という人に、「当社のホテルは現在空きがございます。是非ご利用ください。URL」といったツイートも考えられるだろう。

間接的なサポート

自社製品や自社サービスで困っているわけではないが、価値ある情報を与えることでファンになってもらうというものだ。
例えば、自社製品やサービスに関連する内容で困っている人を助けたりすることだ。
例えば愛媛県のTwitterアカウントがあるとして、「みかんの生産量の一位はどこだっけ?」というツイートに対して、「1位は和歌山で、2位は愛媛です!」というリプライをするといった行為が該当すると思われる。
しかし、これはバランスが非常に難しく、同じ質問ばかりに答えていては、スパムととられかねないので、いろいろな疑問に対して回答していくことが重要になる。
要は印象というものも非常に大事で、あらゆるユーザーに同じことを機械のように繰り返しているだけということがわかれば、一気にユーザーが冷めてしまうことにもなりかねない。人間的なバランス感覚が重要である。
海外では、このアクティブサポートの事例が多くなっている。
特に航空業界で感銘とともに伝えられる成功事例が多い。こちらの記事が参考になる。
ツイッター利用が活発な航空業界における炎上事例と未然防止事例。得られた教訓を総まとめ

一方的に得ようとするのではなく、まずは価値を与えることが重要

ソーシャルメディアにおいては数打てば当たるというのは基本的な考え方にしないほうがいい。
まずはユーザーに有益な情報を与えるということが重要になる。その見返りとして、自社製品を購入してくれたり、自社サービスを使っていることにつながる可能性があると考えるべきだろう。
しかし、100%見返りを求めるのではなく、見返りは不要というスタンスぐらいでいるのが、実はちょうどいいバランス感覚になると考えられる。ユーザーは思うよりも敏感に感じ取るものである。

便利さが人間関係を軽く見せ、顔の見えないコミュニケーションが誤解を生む

インターネットはとても利便性の高いツールである、それだけに距離や時間の概念を超えて人と人とがつながることができる。その便利さゆえに、本来必要なものが気配りが薄れてしまうことがある。
むしろ、顔の見えないコミュニケーションなだけに余計配慮が必要になることを意識しなくてはならない。
距離の壁を打破するのがインターネット、便利なインフラなのであって、コミュニケーションの内容まで機械的に行ってしまうのは問題がある。
前述のアクティブサポートは問い合わせたわけではないのに、サポートしてもらうことがユーザーの驚きと感動を生みだす結果につながる。しかし、直接問い合わせたにも関わらず返答がなければ、これは最低なサービスということになりかねない。
質問があれば回答は必要になるのはあたりまえである。
人と人とのコミュニケーションとして考えればソーシャルメディアが特別なものではないはずだが、想像力の欠如でユーザーに不快な思いを与えてしまうことになりかねない。
ソーシャルメディアにはしっかりとした体制が必要になる。便利なツールだからといって、手間を減らすことばかり考えていては痛い目にあう可能性が高いことは認識しておいたほうが良いだろう。

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Author
Web制作会社にデザイナー、ディレクターとして従事後、フリーを経て、現在は株式会社プレイドに所属。