崩壊するマスデータへの信頼性、そしてグループ重視への転換

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

商品を選ぶ際に参考にするものにランキングがある。その多くは販売数を元に割り出されるものだ。これまでは、できる限り多くのデータを集計して割り出されたものが信頼できるランキングとして信じられてきたと思う。
しかし、このランキングは本当に参考にするべきものなのだろうかと、最近は疑問に思うことが多くなってきた。私自身、マスデータへの信頼性が日々低下していることを感じる。これからはより身近な人のデータが重要になるのではないだろうか。

mass

そもそもランキングとは誰を対象としたものなのだろうか。
多くの場合は対象に制限を設けず、出来る限り多くの対象からデータをとり、その量が多いほど信頼性が増すと考えられるだろう。
しかし、改めて考えてみるとその信頼性にも疑問が湧いてくる。

異なる要因でコントロールされる市場

例えば、分かりやすいところだとオリコンのランキングが上げられる。年間ランキングはここ数年、上位をAKB48や嵐だけで埋められてしまうことが恒例となっているが、私の場合この状況を見て「自分とは関係の無いランキング」という判断を下してしまうようになった。はっきりいって全く「リアル」じゃないランキングのように映る。
全国では一番売れているCDなのは間違いないのだが、私の周りにはAKB48や嵐のCDを買ってる人はほとんどいないというのが現実だ。
このランキングの理由に関しては「特典狙いの購買」や「応援消費」、「CD販売量の減少」など、様々なポイントがあると思うが、これらは本来の評価軸とは異なる要因でコントロールされる市場のように見える。

自分にとってリアルなランキングを作る

では、新しいランキングのあり方を提示するとしたらどのようなものが考えられるだろうか。
「これは自分にとってリアルなランキングだ」と言えるものは、どのようなものなのだろうか。
ネットが普及したことでより様々なデータが既視化された。ネット上に転がっているクチコミを集計すればリアルなデータが取れるのではないだろうか?多ければ多いほどいい。
しかし、現実はそうではなかった。ネットの情報1つ1つの正確性や信頼性への疑問はいまも薄れるものではないし、ステマなど、コントロールされてしまう不確実さは増大するばかりだろう。
ステマじゃないにしても、一体誰のデータなのか?と考えだすと疑問が湧いてくる。
ここは発想を転換して「信頼できるデータのみを出来る限り多く集める」という考え方にシフトしてみてはどうかと考えた。
つまり、Facebookでつながっている友人やTwitterでフォローしているような人などからのみデータを取れば、いままでにないようなデータが見れるのではないだろうかと考えた。
これは、ここ最近話されるようになった、グループ内で起こる影響を重視したのだ。要は知っている人の情報は信頼できる。それを最大限に活かすのはどうだろうか、というものだ。
FacebookやTwitterのように、人に紐づいた仕組みができたことで、特定の人物からのみデータを集めるということも可能になった。

いま開発中の「CineMatch」はこの考えに基づいている

先日、現在開発中のサービスである、ソーシャル映画レビュー&ランキングサービス「CineMatch」のティザーサイトを公開した。
このサービスが「自分にとってリアルな情報」を得られるサービスとしての1つの答えになるのではないかと思い、開発を進めている。

cinematch

このサービスの利用はFacebookアカウント持っていることが条件になり、Facebookで繋がっている友人をベースにすることにフォーカスしている。
Twitterとも連携が可能で、CineMatchでは自分が影響を受けたい人だけをフォローすることで、その信頼性を高める狙いがある。
なぜ映画を選んだのか?
それは興行収入ランキングの影響が強い状況を変えることはできないのか?というのが発端だ。実はこの思いは何年も持ち続けていた。
例えば最近のランキングを例に上げてみたい。下記は4月24日に公開された全国集計のランキングだ。(goo映画

1位 仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦
2位 映画 名探偵コナン 11人目のストライカー
3位 僕等がいた 後篇
4位 劇場版SPEC~天~
5位 バトルシップ
6位 映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス

果たしてこれが偏りのないランキングなのだろうか?
全国集計だと、映画館が少ない地方などでは、上映する映画が限られてしまい大作映画が強くなってしまうし、ファミリー向けが強くなる傾向があるため、公平であるようで不公平とも考えられる側面がある。このような情報を元に観る映画を選ぶというのもなんだかもったいないと思えてしまう。
自分と同じ世代、自分と同じ業界の人、センスが近い人、憧れてる人。そういう人だけをフォローすることで、いままで埋れていたような作品に出会うことができるのではないだろうか?というのがこのサービスが目指すところだ。
これは偏りのあるデータなのかもしれない。でも実は自分にとってはとても有意義なものになるのではないか、そして一般的な感覚を意識する必要はあるのだろうか?というのが私の考えるところだ。
CineMatchは周辺の人の「映画」に関するデータを顕在化させ、参考にできるものにするためのサービスだ。様々なジャンルでまだまだ埋れているデータはあると思う。
近くの人から影響を受けるためのサービス。これからこの手のサービスは増えていくのではないだろうか。「知らない多数の人」よりも「知ってる少数の人」からより多くのデータを収集する、それがいま求められるデータになっていくのではないだろうか。
Photo by Voka – Kamer van Koophandel Limburg on Fickr

share post to:
Author
Web制作会社にデザイナー、ディレクターとして従事後、フリーを経て、現在は株式会社プレイドに所属。