宇多田ヒカルが先日活動休止を発表した。
Twitterでニュースを見かけたときはさらりと流してしまったが、発表文を今日になって読んで考えさせられるものがあった。
活動休止を発表した、8月9日の彼女のブログには以下のように綴られている。
久しぶりの大事なお知らせ
振り返ると、15才からずっと音楽ばっかりやってきました。「宇多田ヒカル」が音楽に専念できるように、周りから過保護に守られた生活をしてきました。人からは、年のわりには人生経験豊富だね~なんて言われるけれど、とても偏った経験しかしていません。
この仕事のおかげで普通じゃできないようなことも出来ました。ファンのみんなにも、ずっと一緒にやってきたスタッフにも、とっても感謝してます。
でも、アーティスト活動中心の生き方をし始めた15才から、成長の止まっている部分が私の中にあります。それは、人として、とても大事な部分です。
この12年間、アーティストとしては色んなことにもチャレンジしたし、少しは成長できたと思います。でもこれ以上進化するためには、音楽とは別のところで、人として、成長しなければなりません。
そういう気持ちから、一つ大きな決断をしました!
来年から、しばらくの間は派手な「アーティスト活動」を止めて、「人間活動」に専念しようと思います。
彼女のいう「人として、とても大事な部分」「人として、成長しなければなりません」「人間活動」とは何を意味しているのだろうか。
私は宇多田ヒカルの曲は知っているものの、彼女の人間性に関しては全く知らないので、見当違いかもしれないが「人間活動」について考えてみたい。
忙しすぎる日々。立ち止まって考えることが難しい現代
いまの世の中、贅沢な物が溢れていてお金を使おうと思えばいくらでも使うことができる。
贅沢をしなくても便利な世の中ゆえの出費も多い。
そして、インターネットによってスピードが加速した世界。何もかも速いスピードで展開していく。
それは世の中の変化も急激に加速させた。
そんな状況は、仕事をこなしてお金を稼いでいくことを難しくしたのではないだろうか。
目の前にある仕事に全力を尽くして、周りのことを配慮する余裕も無く通り過ぎていく毎日を過ごす人も多いのではないだろうか。むしろそれが普通なのかもしれない。
これは一般人の発想だろうが、宇多田ヒカルに共通するとすれば、没頭しすぎた毎日だったということだろうか。
没頭することは悪いことではない。むしろそれによって得られるものや成長できることは多い。
しかし、没頭するばかりに目が届かなかった物や、立ち止まって物事を考える余裕を持てなかったりしてしまうのも事実ではないかと思う。
人生における成功ってなんだ
目の前の物を必死にこなして走り続けていたら、当初考えていた場所とは違う所にたどり着いていた。ってことは結構ある話。
それなりにうまくいっているけど、思っていた場所と違うところにいる。
実際私がそんな経験をした。
その時に自分に問いかけたのは「自分は一体何をしたかったんだ」という言葉。
宇多田ヒカルはせっかく成功したんだから、そのままがんばればいいのにって思うかもしれない。
でも、彼女が思い描く成功とずれているのだとしたら、すぐにでも軌道修正をするべきなのだろう。
少なくとも、彼女が人生に必要だと思うものや、いまの自分に足りないものがあると感じ、アーティスト活動を継続したままでは、困難であると感じたのだろう。
彼女のいう「人間活動」とは、単純にもっと素直に生きるということではないだろうか。
フィリップ・マグローが書いた本「LIFE Strategies:史上最強の人生戦略マニュアル」という本にこんな一説がある。
「たいていの人は、自分に難しい質問をぶつけず、自分の本当の性格や態度を直視せず、成功するための努力を無にする肝心な問題に取り組まないことによって、自分自身をダマしている。」
自分がいまやっていることを正当化するために、自分にとって都合の良い言い訳を作りながら、毎日を過ごしている部分もあるかもしれない。
どんな人生に意義を見いだすかは人それぞれだ。1度立ち止まって考えてみるのはどうだろうか。
- 自分は何をしたくて、どんなモノやコトを手にいれたいのだろうか
- それをするにはいまやっていることはプラスになるだろうか
- いまやるべきことはなんだろうか
複雑と思っている人生は、案外シンプルに見えるかもしれない。
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自分を知ると言うことがこれほど大事なこととは!