楽天は25日、2011年8月にオープンした電子書籍ストア「Raboo」を2013年3月末で終了することを発表した。販売は2013年1月22日に終了する。
楽天は電子書籍端末「kobo」発売に伴い「Raboo」とは別に「koboイーブックストア」を2012年7月に立ち上げている。流れとしては予想できたことだが、予定されていた「koboイーブックストア」との統合は行われず、購入したデータは引き継がれることなくサービス終了となる。
同じ会社のサービスで統合ができないというのは、規格や契約上の問題が大きいということだろうか。これは今後電子書籍ストアが閉店するような時に、他のサービスに統合されるのは期待できないということなのかもしれない。
(Rabooで書籍を購入した人向けの特典もあるが納得できるものではないだろう。→ Rabooサービス終了のお知らせ)
「Raboo」で購入した本は端末にダウンロードしておけば、サービス終了後も閲覧することができる。「だから問題ないじゃない」という声もあるが、問題は永久にダウンロードした端末でしか読めなくなる点だ。
端末を買い換える際には再ダウンロードができないため、新しい端末では「Raboo」で購入した書籍を入れることはできない。なので、新しく購入した端末で同じ本を読み直したければ再度購入する必要がある。
本を取っておきたければ端末を捨てずにとっておく必要があり、将来的には複数の電子書籍端末を本棚に並べるということになるのかもしれない。
しかしバッテリーの寿命やデータが消えてしまうリスクもあるだろうし、なかなか安心出来る話ではない。
いまのように電子書籍ストアが乱立している状態では、このようなリスクをユーザー自身がとらなければならない。
現時点でリスクが低い選択をするとすれば、せいぜい最大の電子書籍ストアに成長する見込みがあり、潰れなさそうなサービスを選ぶということぐらいだろうか。
そういう意味でKindleの登場をずっと待っていたわけだが、いつになるかわからないうえに、「Amazon MP3ダウンロード」のように品揃えが悪い状態での展開になる可能性もあるじれったい状況だ。
もしくは本の選択肢は狭められるが、DRM制限がなく端末への移動が自由な形式でダウンロード出来る「パブー」などのストアで購入することも安全といえるかもしれない。
私の場合はKindleを待ちきれなかったので、先日新機種が出た「Sony Reader」を購入した。
ソニーの「Reader Store」や紀伊国屋書店の「BookWeb」あたりが残り続ける可能性の高いサービスと考えているので、その両方が使えるということで購入することにしたのだが、どうなるかはわからない。
個人的には早く電子書籍が普及して読みたい本がいつでも読める環境が整うことを望んでいるが、こういうことがある状況で電子書籍が売れないというのも当然といえば当然だろう。
早く安心して購入できる電子書籍ストアが確立してほしいものだ。