ソニーの電子書籍端末「Sony Reader PRS-T2」を1週間使ったレビュー

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電子書籍端末「Sony Reader PRS-T2」を買って1週間ほど使ってみたのでレビューをしたいと思う。
いまは毎日持ち歩いてて、主に電車とかカフェで読んだりしている。164gほどなので重さを気にせずバッグにいれておけるのが嬉しい。
さっそく小説「悪の教典」とマンガ「ヒミズ(全4巻)」を読んでみた。

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電子書籍端末を本格的に使うのは今回がはじめてと言ってよいだろう。Kindleを持ってるがほぼ英語書籍だけなので(恥ずかしながら)ほとんど使っていないし、iPhoneやiPadではマンガや雑誌、たまに小説を買ったりしているが、ちゃんと読みきったのはマンガぐらいだ。
今回Sony Readerには外出時に持ち歩いている紙の本の代替品となることを期待して購入した。
それではポイントをレビューしていきたいと思う。

思ったより読みやすい

ディスプレイは紙で見るのと同じように見えるというE Ink。とは言っても、紙よりも若干の読み難さを感じるんだろうなぁという感覚を持っていた。
しかし、読んでみると紙の本と同じように読めることに気づく。それどころか、ページをめくるのが楽だし、前回読んでいた続きから読むのも楽だ。次に述べる辞書機能も使える。
従来のE ink端末はページをめくるたびに黒白が反転するようになっていた。これは表示を切り替えるためのものだが、これがなかなか鬱陶しいと感じていた。しかし、「PRS-T2」はこれを15ページに1回程度しか発生しないように改良し、通常は黒白が反転することなく文字だけの表示が変わる。
早く読むと黒白反転が頻繁に起こるが、普通に読んでる部分ではほとんど反転することはない。これはストレスなく読む上で結構大きいのではないかと思う。
ちなみに、「PRS-T2」購入時に純正のカバーも購入した。紙の本を読んでいるかのような見た目になるのでおすすめ。

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辞書がものすごく便利

「PRS-T2」には約238,000語を搭載する「大辞林」とジーニアス英和辞典、Oxford英英辞典が入っていて、わからない単語をタッチするだけで、下部に意味が表示される。
紙の本で読んでいるころは、少々わからない単語があろうが、面倒なので調べるようなことはなく、なんとなく意味を察して読み流してしまうのが常だった。でも、タッチするだけで意味がわかるとなれば、少しでも自信のない単語はとりあえず意味を確認しながら読んでも、時間的なロスはほとんどない。正確に意味を理解しながら読み進められるので、素晴らしいと思う。

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Reader Storeは「なんでも揃ってる」から程遠い

日本語の書籍が6万冊以上の品揃えとのことだが、やはりまだまだ物足りない。まぁ、Amazonで売ってる日本語の書籍を調べると、単行本、文庫、新書、コミックだけで237万冊以上なので、あたりまえといえばあたりまえなのかもしれない。
最近の書籍なら割と揃ってる・・・と言いたいところだが、そうでもないので今後に期待するしかないだろう。
Sony Readerに関しては「Reader Store」と「紀伊國屋書店BookWeb」の本を購入して読むことができるので、あらかじめ確認しておいたほうがよいだろう。
それにしても、電子書籍ストアは明確に欲しい本が決まっている場合以外は、なんとも使いにくのが現状だ。なぜ人気順でソートできないのだろうか。

マンガを読むにはちょっときびしいかもしれない

ちょうど映画版のヒミズを観たところだったので、ヒミズ全4巻を一気に読んでみた。ほとんど問題なく読めたが、小さい文字なんかは若干の読みづらさを感じたので、紙で読んだほうがいいと思う瞬間が何度かあった。ただ、それほど問題にならないレベルだが。
黒白反転はマンガの場合毎ページで起こるのも残念だ。1ページの情報量が多いので仕方がないのだろうが、やはりちょっと目がちかちかしてしまう。
割と問題なのはマンガのデータサイズが大きいことだ。小説などの一般的な書籍は1300冊ほど入るようだが、マンガは33冊ほどしか入らない。なので、マンガに関しては電子書籍端末に保存しておくことはできない。1冊あたり小説はだいたい1Mで、マンガは40Mほどになるのでだいぶ差がある。
外部メモリとして最大32GのmicroSDを使えるが、ここに保存できるのは著作権保護がかかっていない書籍に限られるので、これは使えないと考えた方が良いだろう。
マンガを読むことをメインに考えている場合は、タブレット端末の方が見やすさや容量の観点からして安心かもしれない。

総評

端末に関してはすでに十分に実用レベルに達してると言っていいだろう。できれば常にこの端末を使って本を読みたいと思うぐらいだ。軽いし場所もとらない。
そして辞書機能と検索機能で読書体験のレベルが高まる。
手放しで皆さんには勧めたいところだが、やはり問題はReader Storeなどの品揃えだ。これに関してはまだまだと言っておいたほうが良いだろう。
あとは、古本屋で安く手に入る本を買うのはちょっと躊躇してしまう。電子書籍の方が積ん読せずに確実に読めそうだが、なんとなく損得の計算をしてしまう。
というわけで、電子書籍端末自体は満足度が高かったが、問題は品揃えというところだ。コンテンツがなければ使いようがないので大きな問題である。Kindleの登場も控えてるので年末にかけて電子書籍市場がいい意味で盛り上がってくれることを期待したいところだ。

SONY 電子書籍リーダー Wi-Fiモデル Reader ブラック PRS-T2/BC
Sony    評価:★★★★★


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PDF版で購入してあった書籍を取り込んで見たが、本を開くまでに時間がかかり、ページをめくるのに時間がかかるという感じで、ちょっと読めたもんじゃなかった。

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Author
Web制作会社にデザイナー、ディレクターとして従事後、フリーを経て、現在は株式会社プレイドに所属。