mixiはもはや「人」が軸のSNSではなくなりつつある

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皆さんは現在mixiを使っているだろうか。「一体誰がmixiを使っているのだろう?」と疑問に感じてしまうぐらい、私の周りでは「mixiはたまにログインするぐらいでほとんど使ってない」という声が多く聞こえてくる。

mixi

40人ほどいる私のマイミクも、「日記」を更新する人は月に2、3人いればいい方で、大半が「mixiボイス」しか更新していない。先日話題になったmixiの訪問者減のニュースに関しても「実感に近い」といった反応を示すユーザーが多くみられた。
しかしながら、mixiの月間アクティブユーザーが1500万人であるのに対して、Facebookは500万人と依然として日本最大のSNSである状況に変わりない。
それでは、なぜこのような感覚のギャップが生まれているのだろうか。もちろん私自身がmixiのコアユーザー層から大きく外れているであろうことは考慮する必要があるが、私は以下の3つの可能性があると考えている。

  1. FacebookやTwitterにユーザーが流れている
  2. 学生しか使ってない
  3. ログインしかしない人と、コアユーザーの2極化が進んでいる

この3点に関して詳しく説明していく。

1. FacebookやTwitterにユーザーが流れている

まず最初に考えられるのは、単純にFacebookやTwitterにユーザーが流れていて、mixiが徐々にアクティブユーザーを減らしているという観点だ。
移行している人は、mixiをFacebookに置き換えている人もいるだろうし、Twitterしか使ってないという人もいると思うが、いまはまさに移行期であり、それゆえのギャップであるという考え方だ。
「携帯からスマートフォンに変えてからSNSを使うようになった人」が3割増えたという調査結果もあり、新たにSNSを始める人にTwitterやFacebookが多い傾向も見られた。
考えてみれば、私のマイミクは随分前から更新されていない。
つまり、新しく知り合った友人は、TwitterやFacebookでつながることはあっても、mixiでつながることは皆無なのだ。言い方は悪いがmixiが「古いソーシャルグラフ」になってしまっており、FacebookやTwitterが古くからの友人と新しい友人が混在している状態だ。
もちろん友人関係に新しいも古いもないが、コミュニケーションの機会が多い友人のいるSNSに自ずと比重が傾くのは当然のことだろう。そのようにして徐々に移行していっていることが考えられる。
この点は、マイミク申請の敷居の高さや、まだつながってない友人の探しにくさが大きく影響していると考えられるが、詳しくは後述する。

2, 学生しか使ってない

mixiのIR資料によると、mixiのユーザーは20代だけで5割強で、20歳から24歳では29%を占める。つまりコアユーザーは学生がメインであると考えられるだろう。
ここでは、SNSの使い方がポイントになってくると思うが、学生時代の友人関係は極端なソーシャルグラフが形成され、少人数で濃い交流をする人が多くを占めると考えられる。
なので、クローズドなmixiは不便がなく、むしろ都合が良いと感じる人が多く存在すると思われる。学生にとっては都合の良いSNSと言えそうだ。
しかし、最近では学生時代から学校以外にも広く交流関係を持つケースも増えてきており、状況が変わってきているようにも見受けられる。
そして、社会人になり交流関係が多彩になっていくにしたがって、FacebookやTwitterに移行していっているのではないかという考えだ。

3, ログインしかしない人と、コアユーザーの2極化が進んでいる

mixiは2年以上使い続けているユーザーが8割を超えるという調査結果があり、長く使われてきたサービスであることは疑いの余地がない。
この中で、コミュニティを形成し運営を続けている人や、ここでしか交流できない友人がいる人も多いだろう。私自身もmixiでしか連絡が取れない人はいまも存在する。
つまり、mixiで活発なユーザーが1人でもいれば、その人の投稿を見るためにログインしている人は多く存在するだろう。
また、コミュニティを覗くといまも活発に投稿がされていることがわかる。私はサッカーのコミュニティをよく見るが、試合中の実況から試合後の感想まで、mixiでしか見れないようなコンテンツが存在している。そのようなコミュニティのウォッチャーも多く存在するだろう。
いずれにしろ、mixiを牽引しているのはコアユーザーで、その存在が多くのユーザーの訪問を保っているということが言えるだろう。このコアユーザーが離れるのをmixiは阻止しなくてはならない。

mixiの訪問者数減に関して

mixiの今後を考える前に、PCにおけるmixiの訪問者数が減少しているというニュースに関しても少し触れておこう。このニュースに対して、mixiはモバイルでのアクセスが多く、PCしか測定していないデータはmixi全体の状況を示す物ではないことを強調しているが、PVに関してはPCとフィーチャーフォンで減少を続けており、スマートフォンで微増しているというのがmixi自身が発表しているデータで明らかにされている。
以下はmixiの最新のIR資料で公開されているデータだ。
mixi
全体の訪問者数が公開されていれば一番判断しやすいのだが、PVの推移を見る限りむしろフィーチャーフォンの減少が一番大きく、それにつられて全体の訪問者数が減少しているように見える。(フィーチャーフォンはページが細分化されていてPVが伸びやすいのも要因ではあるが)
ただし、SNSを訪問者数やPVで評価すべきではないという声もあり、mixiはPVに変わる新しい指標としてコミュニケーション投稿数を今年から発表している。これはmixiボイスのつぶやき件数、日記の投稿件数、フォト、カレンダーの投稿件数、チェック、チェックインの回数、イイネ!ボタンの回数などを集計するものだ。以下のグラフを見ると活発な状況のように見える。
mixi2
しかし、これは全く参考にならないデータなのではないかと思っている。なぜなら、コミュニケーション投稿の大部分を占めるであろうmixiボイスは、Twitterと連携させてTwitterの投稿をそのまま流している人も多いため、Twitterの恩恵受けているだけのデータといえなくもないのだ。
つまり、何が言いたいかというと、mixiの状況を正確に知ることができるデータはどこにもないということだ。なので、正確に状況を知ろうとする議論はあまり意味をなさない。

mixiはどのようなポジショニングを取っていくのか

mixi自身は今後どのようなポジショニングを取っていくのだろうか。
mixiの笠原氏は、先日京都で行われたInfinity Ventures Summitで、他のソーシャルメディアとの立ち位置の違いを強調した。
ミクシィ笠原健治氏ソーシャルメディアの立ち位置の違いを語る―IVS会場で(TechCrunch)
Facebookは仕事関係や友人が中心で150名〜200名程度のつながりの「パブリックグラフ」。Twitterは、有名人・インフルエンサーが中心で主に片方向つながりの「ニュースグラフ」。mixiは親しい友人が中心で数十名(平均40名)のつながりの「プライベートグラフ」と分類した。
どうやら、ここ最近は「プライベートグラフ」という言葉を強調して使っているようだ。親しい友人のみで形成されるのがmixiであり、濃いソーシャルグラフは広告としての価値もあることを訴えていくものと思われる。
確かに上記はmixiの特徴を言い表していると思うが、「結果的にこうなってます」という話のような気がしてならないのは私だけだろうか。
そして、笠原氏はこのように述べている「一番特徴的なのは、Facebookは完全実名制で人の見つけやすさを提供していて、発言の重さもそれにともなったものになっている。mixiの立場は実名制だけど、それを共有することはなくて、ニックネーム性をもって、使い方はユーザーにまかせている」」
ここで意外だったのは、笠原氏が「Facebookは人を見つけやすい」という認識を示したことだった。つまりは「mixiは人を見つけにくい」ということを認めていることになる。
つまり、「いま現在直接会うような仲の良い友達」としかmixiはつながれないサービスと捉えることができる。親しい状況になったらつながるmixiという位置付けは果たして成立するのだろうか?
mixiでマイミクになる親しさってどの程度?っていう疑問があるし、その基準は人によって異なるだろう。毎日顔を合わせていても、会社の同僚とは絶対につながりたくない人がいれば、積極的に繋がろうとする人もいたり、人によって異なる。
学生時代なら、親友といえる友人に気軽にマイミク申請できるだろうが、社会人になって交流関係が増えてくれば、そうもいかなくなってくる。
つまり、多くのケースでソーシャルグラフの更新が止まってしまうのではないだろうか。それはSNSとしての機能が失われ、使う機会が減少していくことを予感させる。
この話をしたときに必ずでる反論として、皆がみなオープンに繋がりたい人ではないという意見もあるだろう。
しかし、コミュニケーションインフラを目指すFacebookに対して、そのようなスタンスでいれば、mixiがニッチ化していくことは間違いないだろう。
つまり、mixiはインフラとしての道を放棄しているように見える。

mixiの強みはインタレストグラフ

前にも書いたが、コミュニティの強さは目を見張るものがある。匿名なだけに、自由に発言している人も多い。サッカーのコミュニティではその熱さ故に、試合に負けた日はユーザー間で喧嘩になっていることも多い。クローズドな空間でこれほど自由に意見が交わされている存在はmixiぐらいしかないだろう。逆に言えば、ここまで機能したコミュニティは海外に輸出できるような強みであるとさえ思える。
そして、mixiですべての年代に渡って活発なのはコミュニティを積極的に利用している層ではないかと私は見ている。
mixiは趣味や嗜好を軸につながるインタレストグラフに特化したSNSとしてその機能や利便性を磨くべきではないだろうか。
Facebookにコミュニケーションインフラとしてのポジションを譲るのであれば、プライベートグラフなどとポジショニングするのは苦しいものがある。
mixiは、「人」ではなく「趣味や嗜好」を軸にしたSNSとして突き進むべきではないだろうか。おそらくそれがユーザーのニーズにつながるし、訪問者を保ち続け、増加させることが道しるべになるのではないか。
皆さんはmixiがどのような形で残っていくことを望みますか?

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Author
Web制作会社にデザイナー、ディレクターとして従事後、フリーを経て、現在は株式会社プレイドに所属。