新しいローソンPBデザインを応援したい。そしてこれは暮らしを彩るデザインだ #ローソンPBに思う

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ローソンのプライベートブランドの新デザインについての意見が日々がTwitterで流れてくる。日に日に“否”の意見が増えているようで、なんだか悲しい気持ちになったので自分の考えを述べてみたいと思う。ちなみにこのブログは、ほぼ3年ぶりの更新になるようだ。そんな私でも書きたくなったのだから前向きに捉えよう。

私は今回のデザインについて好意的に見ている。そしてこのデザインを見て、応援したいとまで思った。実は最近買い物はスーパーでしていて、無駄な買い物をしたくないという理由からコンビニは避けていた。しかし、今回のデザインを誘われて久しぶりにコンビニを訪れたぐらい、ローソンの取り組みを嬉しく思った。
この記事では、私がこのデザインから感じたこと。なぜ応援したいとまで思うのか、などをまとめていく。

 

暮らしを彩るデザイン

私が最初にこのデザインを見た時に感じたのは、「家の中に商品がある状態」を大切にしてデザインされたのではないかということだった。
つまり購入してから使われるまでの“暮らしを彩ってくれるデザイン”を目指したのではないかと。売るまでではなく、顧客が“利用”するときにどのような存在であるのかまでをイメージしてデザインされている。そのような思想を感じた。

店舗におけるデザインを重視すると「いかに目立つか」「いかにわかりやすく魅力を伝えるか」といったところに傾きやすい。そして、そのように考えられたデザインは家の中では目立ちすぎて馴染まないデザインになってしまいがちだ。
新しいローソンPBのデザインは、それがある空間を彩り、使うときに愛おしく思う。そんな豊かさを目指したのではないだろうか。

実際家の中にある状態を評価すると、みなさんはどう感じるだろうか。

 

店舗での見やすさも優れていると感じた

実はTwitterなどで流れてくる写真を見ている段階では、店舗での見やすさはある程度犠牲にしているのではないかと考えていた。実際ここにダメ出しする意見も多い。
しかし、実際に店舗で見てみると、さらに印象はよくなった。以下の2点で優れていると感じた。

  • ローソンのプライベートブランドとそれ以外の商品の見分けが格段にしやすくなった
    わりとここって重要なのではないか、PBを求める人にとっても、それ以外を求める人にとっても
  • 「L marche」シリーズに関しては、商品の一覧性が高い
    棚の商品をバーっと見るときに、意外と小さい円の中にデザインされた商品の中身が認識しやすかった。これは発明ではっていうレベルで

私は40代で、正直視力にも自信がなくなってきているが、そんな私でも「むしろ見やすい」という印象を抱いた。
確かに、中には「3種類ある納豆の違いが小さい文字を読むまでわからない」というのもあったが、全体で見るととても良いのではないか。
見分けづらいという問題も、色分けはされているのですぐに慣れそうだし、日常使いならそれもありなのでは。本当に駄目なのであれば個別に改善すれば良いのではないか。すべてがダメとは全く思わない。

 

なぜ歓迎するのか?

これは私の思い込みもあるのかもしれないが、一般的なプライベートブランドってデザインでワクワクすることがない。これはスーパーの印象が強いからなのかもしれない。

むしろ「デザインにお金をかけない分、安くしています」というアピールとまで感じてしまう。それゆえに、私はプライベートブランドを選ぶときに「こだわりを持たない選択をしているような侘しさ」という感情を覚える時もある。もちろんデザインだけでなく品質や値段といったところも影響してくるところだが、コスパを最優先に選んでいるという感覚が強い。そして、家にある状態を見ても、利用する時も決してワクワクすることはない。それがこれまでの私のPBのイメージ。

しかし、今回のローソンPBの新デザインは、”デザインで選びたくなる”という水準にあると思う。実際店舗で眺めてもワクワクするような楽しい感覚を覚えた。

これはローソンの挑戦なのではないかと思う。「利便性」を追求されるコンビニにおいて、買い物する「楽しさ」、そしてそれを利用する時の「豊かさ」を提供しようとしてるのではないかと。
それはつまり、「ローソンらしさ」ローソンのアイデンティティを確立しようとしているのではないかと。

 

デザインってそんな窮屈なもの?

今回の否定的な意見をみると多くは「視認性」「ユニバーサルデザインへの配慮」といったことが指摘されている。
コンビニという特性上、すべての人への配慮が必要といったこともわかるのだが、あくまで公共機関ではなく企業が提供するサービスである。だから何を持って“サービス”と考えるかは自由だし、それに共感する市場があれば、事業として成立するはずだ。全体最適化を目指すがゆえに個性が失われてしまうのは悲しい。もちろんこれは極端な意見かもしれないが、もっと多様なものを受け入れる余裕が必要なのではと思う。

最近はどのような声が多勢なのかは知らないが、以前ローソンは「スイーツは美味しいけど弁当は駄目」「からあげくんだけは好き」とか、なにかしらだけ認めてるという声が多かった。(あくまで私の周りの印象だが)

今回デザインを統一したリスクとしてあるのは、すべての商品をローソン品質として見られるようになるということ。
何かで「品質が良くない」という印象を受けてしまっては、その影響は商品全体に及びかねない。
今回のデザインリニューアルでは、おそらく「ローソン品質」への自信やここへの覚悟も含まれているのではないか。今回のデザインがローソンにとって良い結果につながることを期待したい。

 
 

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Author
Web制作会社にデザイナー、ディレクターとして従事後、フリーを経て、現在は株式会社プレイドに所属。