韓流アーティストのブレイクはマスコミが仕掛けたものなのか、時代を象徴するものなのかー少女時代、4Minute、KARAを見る

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ここのところ、韓流アーティストの日本進出が相次いでおりメディアでも多く取り上げられている。
なんとなくこの盛り上がり方は尋常ではないと感じ、ちょっと調べてみようとYoutubeで動画をあさっていたのだが、見事に頭から離れなくなってしまうアーティストばかりだ。
一体彼女たちの何が魅力なのだろうか。そしてなぜ日本に相次いで進出しているのだろうか。
注目の3つのグループを紹介しつつ、理由をさぐってみたい。

少女時代

韓流アーティストの大本命として最も注目されているアーティスト「少女時代」。9人組のガールズユニットで8月11日にDVD「少女時代到来 ~来日記念盤~ New Beginning of Girls’ Generation」で日本進出し、9月8日発売のシングル「Genie」で日本デビューする。

日本でのデビュー前ながら、8月25日に有明コロシアムで初来日ライブを行い、3公演で2万2000人のファンを動員している。


スタイル、歌唱力、ダンスともに評価の高い彼女たちの1年前にリリースされた「Gee」という曲の動画はYoutubeで2100万回もの再生回数を誇っており、Youtubeの動画の中でもトップレベルの人気動画になっている。
ちなみにソーシャルメディアの女王であるLADY GAGAの動画はだいたいの曲が3000万回再生されている。そう考えるとますますすごい数字に思える。(LADY GAGAの最も再生されている動画は2億回を超えており圧倒的だが)

日本でのデビュー曲となる「Genie」のPV(日本語版は削除されてしまうようなので、リンクを変更しました)
http://www.youtube.com/watch?v=R0X3hMWYMrs&feature=fvst

4MINUTE

一足早く日本デビューを果たしていたのは、5人組のガールズユニット「4Minute」。名前の由来は「4分間すべての人たちを魅了する」という意味が込められている。2010年の5月に日本デビューを果たしており、日本でのセカンドシングル「I My Me Mine」を7月にリリースしている。

韓国デビューからわずか半年で韓国・台湾・香港のデジタルチャートで1位を獲得し新人賞を多数受賞しており、1990年代生まれのメンバーだけで構成された若いグループである。
「すべての人を魅了する」という言葉通り、インパクトの高いダンスの評価が高く、ビルボードでも「世界市場で成果をあげられる実力ある新鋭」として紹介されている。
最も再生されている動画は日本でも発売されたばかりの「I My Me Mine」の動画の再生回数は144万回を超えている。

KARA

8月11日に日本デビューを果たしたばかりの「KARA」。マスコミでも多くとりあげられており、日本でのデビュー曲「ミスター」のヒップダンスが話題になっている。

KARAとは、甘いメロディーという意味を持つ言葉。これに、ギリシャ語の「χαρα(喜び)」を加えて、「KARAの音楽を通じて、喜びを与えたい」という気持ちが込められている。
韓国では、素に近い姿を積極的に広め、親しみやすい身近なイメージを持たせることで人気を得ることに成功したグループのようだ。

クチコミでじわじわ・・・ではなくマスコミの報道やCMでドカン

紹介した3組に共通点があるとすれば、ユニークで印象的なダンスだ。ユニークなダンスといえば、クチコミでブレイクしたPerfumeが思い浮かぶ。
これらのアーティストはPerfumeと同様にクチコミによるブレイクなのだろうか。
Googleにおける、各アーティスト名の検索数の推移を見ると、8月に入ってから「少女時代」「KARA」ともに検索数が飛躍的に向上していることがわかる。ただし「4minute」は検索数の変動がほとんどみられない。

kan

グラフを見てわかるように、不自然なほど急激に増加している。(オレンジがKARA、青が少女時代)
(念の為、韓国語名なども検索数を参照してみたが、比較にならないほど少ないためグラフでは割愛している)
Perfumeがブレイクした2007年の検索数の推移以下のようにじわじわと増加している。
下記の図はブレイクのきっかけとなった「ポリリズム」が発売した2007年9月頃の検索数の動き。

こうして比べて見ると、今回の韓流アーティストはテレビなどでの露出により急激にブレイクしていることがわかる。

ソーシャルメディアで見える差

続けて、ソーシャルメディア上でユーザーにどのような支持を得ているかをそれぞれ確認した。
これは世界全体での支持がどの程度得られているかを見る指標になる。
Facebookのそれぞれのファン登録人数には大きな差が見られる。

  • Girls’ Generation(少女時代) 13万人
  • 4minute 3万人
  • KARA 400人

Youtubeのもっとも再生回数の多い動画は以下の通り。

  • 少女時代 2100万回
  • 4minute 144万回
  • KARA 122万回

少女時代の人気が圧倒的なことがわかる。これを素直に受け止めると、今回の韓流アーティストのラッシュは、少女時代の日本進出にあわせて用意周到に仕掛けられたものなのかもしれない。
ちなみにmixiは以下の通り(最も多いコミュニティのメンバー数)

  • 少女時代 20496人
  • 4minute 5236人
  • KARA 19799人

現在はKARAは少女時代に匹敵する会員数になっている。

日本は韓国の30倍の音楽市場

最後に8月29日のMr.サンデーで韓流アーティストが特集されていたので、その情報について触れておきたい。

韓国の音楽市場の規模は日本のわずか30分の1程度。人口が日本の半分以下である事を差し引いても驚くほど小さい。
その原因は、アルバム一枚の単価の安さ(約1000円)と、違法ダウンロードの横行にあると言われる。
だからこそ莫大な資金でアーティストを育てる韓国エンタメ界に日本のマーケットはなくてはならない存在なのだ。

日本が大きな市場という話は不思議な感じがするが、そういうことのようだ。
そして、番組中で取材に訪れた俳優を輩出する学校の講師が語った韓国における業界の厳しさを示す発言には驚いた。

「単刀直入に言えば、外見はもはやお金で買える時代です(笑)。だからこそ才能を磨かなければ韓国では本物の俳優になれないんです。」

それ言っちゃうんですね。ってツッコミを入れたくなる感じだが、韓国では普通のことであることが伝わってくるシーンだった。
番組内で紹介されていたデビュー前の「ナインミュージス」というグループ。
彼女等は4500人の中から選び抜かれた9人組ということなのだが、「毎日の練習時間は14時間から15時間で、点滴を打ってでも練習している。」というハードなトレーニング状況を語っていた。
そして、メンバーの1人が「競争もすごいですし、その中で実力もビジュアルも必要」と当事者自身が言っていたのが印象的だった。
最後に番組中で、ベテラン俳優の方が現在のテレビを見てこのように言っていた。

「最近は”感動”よりも”刺激”で終わっている気がします。これはよくない」

聞き流しそうになったが、深い言葉。よく考えてみたい。
実はいろいろ調べる前は、「ソーシャルメディア時代だからこそ国境を越えて、クチコミを生んだ。時代を象徴するものだ。」という結論を想像していたが、そういうわけでもないのかもしれない。
しかし、こういった話を聞いていると世界がグッと近づいている印象を受ける。実力のあるアーティストならアピール方法さえ工夫すれば、世界で注目を集められる下地は整っている。
日本人ももっと視野を大きく持たないとほんとに取り残されてしまうかもしれない。
ソーシャルメディアによって、実力者が見つけてもらえる可能性は高まっていると感じている。ただし、実力があれば誰かが見つけてくれるというスタンスではなく、積極的なアピールと人をどう引きつけるかの計算の必要性を韓流アーティストがいま示そうとしているのかもしれない。
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Author
Web制作会社にデザイナー、ディレクターとして従事後、フリーを経て、現在は株式会社プレイドに所属。