ソーシャルニュースサイト「Digg」の創業者である、ケビン・ローズは9月28日に行われたTechCrunch Disruptで、現在問題を抱えた「Digg」に対して、我慢の限界に達していることをほのめかしたそうだ。
ローズは「Digg」の人気やトラフィックが最高の時期にあった8千万ドルの買収オファーを受け入れたかったが、Diggの役員らがオファーを拒絶したことを述べた。
(Mashableは2008年にGoogleと買収合意間近までいったことを指しているのではないかとしている)
これはいわば、「あの時に買収に応じていれば良かった」という思いを現しているのかもしれない。
4度目の大規模リニューアルが炎上を引き起こす
Diggは8月25日に4度目の大きなリニューアル(Digg v4)を行い、このリニューアルはDiggの使い方をユーザーが変化させる必要があるほどの大きなものだったようだ。Diggにとってはこのリニューアルがトラフィックの低下を防ぐ為のひとつの賭けだったのかもしれない。
しかし、これがユーザーの不満を呼び炎上騒ぎに発展し、トラフィックは確実に低下を続けているという。
さらにスタッフは解雇され、CEOは次々と入れ替わっていったそうだ。なんとDiggは過去6カ月以内に3人のCEOが務めたそうだ。その中にケビン・ローズも含まれている。
そして、ローズは2010年の終わりまでDiggで働き続けることを明言することを拒否したようだ。
ReadWriteWebによると、「6年前に起こした自分の会社よりもエンジェル投資家として(ベンチャー企業に)投資することのほうに熱意を持っているようだ」と報じている。
Diggは8月31日に新しいCEOとしてマット・ウィリアムズが就任している。(ケビン・ローズは4月に就任)彼の最初の仕事は不評なDigg v4の修復になる。
リニューアル後にトラフィックは86%減少
現在Diggはどのような状況なのだろうか。
techradarはDiggのトラフィックが前年同月と比べて97%も低下していることを報じている。かなり信じがたい数字だ。
The death of Digg is not exaggerated(techradar.com)
この記事で紹介しているアクセス解析はGoogle Analyticsのようだが、どうやって入手したものなのだろうか。私自身はこのニュースの信憑性が判断できないので、判断は各自でお願いしたい。
リニューアルは何が問題だったのか
リニューアルの最大の問題はなんだったのだろうか。
Diggはユーザーに人気のあるニュースがチェックできるサイト、つまりユーザーによって作り上げられるニュースサイトであるはずだが、Digg v4のリニューアルによって有名メディアや有名人にスポットがあたるようにアルゴリズムが変更されてしまったということが非難の対象となっているようだ。
shanesnow氏はDiggの変わり様を1枚のインフォグラフィックで表現している。
まさにこれは燃え尽きてしまってもおかしくない状況である。
Diggは情報をマスメディアがコントロールしたものではなく、ユーザーが主体となってコントロールしたものであることに魅力があったのだと思う。
TwitterやFacebookの台頭によってDiggの立場を危うくさせているのは間違いないが、このまま低迷を続けて欲しくないサービスだ。
情報元:Digg Founder “Burned Out,” May Leave by End of 2010(Mashable)
写真:Joi