日本経済新聞社が7月7日に「電子版(Web刊)」の有料会員数が7万人を超えたことを発表した。
公表されている日経新聞の発行部数は305万部であることから、この数字と比較した場合は2%の割合で電子版を購読していることになる。
日経新聞社はあわせて日経推定による米欧主要新聞の電子版の購読者数も報じ、「米国や欧州の新聞と比較してもそん色ない水準に達しつつあり、日本で電子版が離陸期を迎えつつある」としている。
米欧主要新聞の電子版の有料購読者数
(出所)米ABC発表資料などから日経推定
- 米ウォール・ストリート・ジャーナル 120万部
- 英フィナンシャル・タイムズ 12万部
- 米デトロイト・フリープレス 10.5万部
- 米ニューヨーク・タイムズ 9万部
- 米サンノゼ・マーキュリー・ニュース 8万部
- 日本経済新聞 電子版 7万部
- 米デトロイト・ニュース 5.3万部
しかし、上記で比較されている各社の新聞の発行部数を照らし合わせると日経新聞の電子版の有料会員数は他紙と単純に比較できるものではないことがわかる。
新聞発行部数
(出所)米ABC発表資料 ほか
- 米ウォール・ストリート・ジャーナル 209万部
- 英フィナンシャル・タイムズ 44万部(※ファイナンシャルタイムズ公表値 )
- 米デトロイト・フリープレス 25万部
- 米ニューヨーク・タイムズ 95万部
- 米サンノゼ・マーキュリー・ニュース 51万部
- 日本経済新聞 305万部
- 米デトロイト・ニュース 12万部(※2008年の数字)
この7万部という数字をどのように捉えるべきかは非常に悩ましいところだが、最も契約者数の多いWSJは有料版が年間103ドルという値段だ。
日経新聞電子版の新聞購読者は月額プラス1000円、未購読者は月額4000円で購読できるのとは。大きく異なる。
ビジネスの面だけ考えれば、結局のところトータルでみてより収益につながる値段設定をすることが新聞社には求められることになるので、各社を比較するにはより詳細な数字が必要になるが、日経新聞電子版の成否を問うにはまだ時間が必要だ。