チェックすべき素晴らしいゲリラマーケティング事例10選(動画)

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Mashableで興味深いゲリラマーケティングの事例を知ることができたので、紹介させていただきたい。
ゲーリラマーケティングという言葉を作った人物であるジェイ・コンラッド・レビンソンはゲリラマーケティングに関して「成果がでるよ。わかりやすくて簡単に実施しやすいし、極めて費用がかからないからね」と述べている。
GuerrillaMarketing
ゲリラマーケティングは「奇抜な仕掛けによってクチコミを発生させ、商品やサービスを認知してもらう」という印象が強いが他にはどのようなポイントがあるのだろうか。
そもそもゲリラマーケティングはジェイ・コンラッド・レビンソンが中小企業や個人事業向けに考案したもので彼は「お金を投資したければそれでも構わない。だが必ずしもその必要はない。第一に投資するべきは、時間とエネルギーと想像力である」と述べている。
費用をかけず、時間と労力で仕掛けるということもポイントになっているのだ。
また、事例を見ていると多くの笑顔を見る事ができる。ここからはゲリラマーケティングに接触したユーザーが「楽しい気分になる」というのも重要なポイントであることがわかる。
ゲリラマーケティングによって「好意的な口コミ」を発生させたいわけだから、これは本当に需要なポイントだ。
逆に失敗例として反感を招くようなケースは、ユーザーの心情に対してどこか配慮がかけているものが多い。
中には日本で理解を得ることが難しそうな事例も多く含まれるが、発想を得るヒントにはなるはずだ。

1. Absolut


「Absolutの誘惑」と書かれ、中が抜き取られたかのように見える段ボールを荷物受取用のベルトコンベアに流すというシンプルな事例。Absolutは有名なウォッカのブランドだ。
ポイントは2つある、1つは「ここにいる人達は荷物を待つ事を強要されているため、気を紛らわせるものとして好印象を与えやすい」 もう1つは「誰も実行はしないにしろ、ベルトコンベアに流れてくる、興味を引くものを持ち去るのは簡単なことだと考えたことがあるのではないか」ということである。

2. Nike


この日は車に乗るのは止めましょうという「International Car Free Day」に行われたこの仕掛け。
駐車違反で車輪止めに似せた広告を付けたのはNIKEだ。
車を利用する人にとっては説教じみていて、好意的ではないかもしれないが、意識に訴えかける効果はありそうだ。それに歩行者の笑顔も見られる。

3.IKEA


日本でも有名なIKEAの事例。「Everyday Fabulous(毎日を素晴らしく)」というキャンペーンで、街の様々な場所をIKEAの家具で少しだけ良いものにしている。
ユーザーに対して愛着を持ってもらえそうな、そんな事例だ。

4. Libresse


Libresse (イギリスではBodyformというブランド名)はオランダのビーチで3000以上の女性用生理用品が入ったプレゼントボックスがピンク色のパラシュートで落下してくるというもの。
「落下」させることの背景にあるのは、 女性は生理中にはビーチに行くのを避けるというLibresse社の調査データに基づいている。そこで「Libresseの商品を使えば、大丈夫」というLibresseのメッセージを示している。
キャンペーンが成功した理由として、社会でおおっぴらにすべきではないとされていることから笑える光景を生み出したことにあるではないかと考えられている。
それに加え、出来上がった映像には、ビキニ姿の女性がたくさんいるということもプロモーションの成功した理由といえるのかもしれない。

5. Loctite


Loctiteの商品である、「Super Glue 3」という接着剤の効果を示すための事例。
道に落ちているコインを拾おうとしてもくっついて取れないという仕掛け。コインのそばには、宣伝もしっかり見える。
ちょっと子供じみているかもしれないが、原点といえる事例なのかもしれない。

6. SIXT


カーレンタル会社であるSIXTのドイツ代理店は、ハンブルグ空港に到着した旅行者を同社の客として引き付けるために、斬新なアイデアを提示した。
空港について旅行者がWiFiを利用しようとして、無線をチェックすると宣伝文が目に飛び来んで、思わず選択すると、同社の広告ページに誘導されるという仕掛けだ。
革新的だったのは、既存のプラットフォーム、つまりWi-Fiネットワークが手頃な価格で使用できるという点ではなく、実は、このマーケティングの対象となったグループ(プロフェッショナル/ビジネスマン)は、Wi-Fiネットワークを最も使用と実証されたユーザーグループであったという点である。ケーススタディではあるが、すでに存在するツールを使用した巧みなゲリラマーケティングとして、優れた例である。

7. Lee


パリの街をLeeジーンズでとことん飾ったというこの事例。
ジーンズで覆ったパーキングメーター、物干し用ロープ、マンホールのふた、ステッカーなど、そのスケールの大きさにより、お店が開店することを認知させた。
しかし、歩行者にステッカーをぺたぺた張っている様子は日本だとびっくりしてしまいそうだ。

8. UNICEF


ユニセフが利用したのは、街にありふれた自動販売機。
しかし、この自動販売機で売られているのは、病原菌をたっぷりと含んだ汚染された水。
これは、きれいな水が飲めることを当然のことだと思っているニューヨーカーに開発途上国では手の届かない贅沢品であることを気づいてもらう為のものである。
通行人を立ち止まらせ、マラリア、コレラ、腸チフス味の”汚水”を選ばせる一方、ユニセフのスタッフは「たった1ドルで1人の子どもが40日間清潔な水を確保できる」というメッセージをボトルに込めたメッセージとして広め、結果として募金を集めることができた。
この方法は、贅沢な生活を送っている人々に、世界の別の場所の問題について知ってもらい、厳しい現実と直面してもらうには賢明な方法だった。

9. Volkswagen


退屈な毎日の通勤の風景に、思いがけない変化が生まれたら、それは喜びになる。
フォルクスワーゲンが階段に設置したのは「Fast Lane (速く進めるレーン)」と題した、滑り台。
この広告キャンペーンでは、ショッピングカートにスケートボードをつけたり、エレベーターをスペースシャトルのように飾りつけるといったようなことも行われた。
日常に愉快な風景を提供するこのキャンペーンは人々に好意的な印象を与えたことだろう。

10. VrijVerzekerd.nl


オランダの広告代理店Novocortexは保険のオンライン広告キャンペーンを、ウィルス並みの早さで広めて大成功をおさめた。これはシンプルなゲリラマーケティングであったが、このキャンペーンのコストは1000ユーロ以下にもかかわらず、膨大なプレスリリース(およびトラフィック)が広告主に寄せられたようだ。
静電気を利用して張り付く紙のステッカーを車体に貼り付けることで、車体が擦られたと運転手を一瞬びっくりさせるが、よく見ると保険会社の広告が記載されていることに気づくという仕掛け。
広告代理店はさらに、あわてる運転手を撮影したビデオをオンライン上で公開し、一般視聴者に、友人をこの冗談に巻き込んで驚かすように仕向けた。
このステッカーは、オランダ国内の視聴者が面白がって広めたことから、2日後には在庫がなくなってしまったようだ。オランダはいかなるマーケティングキャンペーンの対象としても、成功が非常に困難なマーケットであるそうだ。
参考記事:10 Excellent Examples of Guerrilla Marketing Campaigns(Mashable)

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Author
Web制作会社にデザイナー、ディレクターとして従事後、フリーを経て、現在は株式会社プレイドに所属。