ソフトバンクのたった一つの切り札

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KDDIがiPhoneを発売することを各社が報じている。日本経済新聞にいたっては、かなり断定的に報じており、KDDIがなにか間違わなければこのまま発売されることが濃厚だ。

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この報道がされてから、ソフトバンクの株価は20%程度下落し、マーケットは素直に反応を示した。iPhoneを全面的に押し出してきたこともあり、インパクトも大きく映るのも無理はない。
「契約数増」×「スマートフォンによるトラフィック増」のダブルパンチにより、回線品質の低下も著しい。私はiPhone3Gが発売された頃から使用しているが、確かに最近つながりなったと感じている。致命的なほどに。


さらに、KDDIは9月26日、月額基本使用料980円でau同士の通話が午前1時から午後9時まで無料になる「プランZシンプル」を発表した。これはソフトバンクの「ホワイトプラン」に対抗するもので、ソフトバンクに有利な要素を取り除こうとしている姿勢がみられる。
この状況でソフトバンクに売りとなる要素はあるのだろうか。
まだ優位性が持てる確かなものではないが、一つだけKDDIには真似できない特徴をソフトバンクは持っている。
それは、次期iPhoneで搭載されると見られている、高速通信規格「HSPA+」だ。
9月発売が噂されるiPhone4Sの売りは「通信の高速化」?
「HSPA+」は21Mbpsの高速通信が可能な規格で、日本ではソフトバンクやイー・モバイルが採用しているが、KDDIは採用していない。
ソフトバンクの高速データ通信サービス「ULTRA SPEED」は「HSPA+」を採用しているため、次期iPhoneが「HSPA+」をサポートするとなれば、下り最大21Mbpsの通信を実現できることになる。
次期iPhoneの売りが「通信の高速化」だとすれば、その機能が使えるのは「ソフトバンクだけ」ということになる。
まだ次期iPhoneが「HSPA+」に対応するとは限らないし、ソフトバンクが「HSPA+」を利用可能にするかは不明だ。
ただ、回線品質や値段以外に、ソフトバンクは何かしらなのメリットを打ち出さなくては、厳しい局面に到達することになるだろう。「HSPA+」がソフトバンクにとって救世主になるかどうか、次期iPhoneの発表はこの面でも注目である。

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Author
Web制作会社にデザイナー、ディレクターとして従事後、フリーを経て、現在は株式会社プレイドに所属。